『熱狂的ファンのつくり方』を読んで、自分がやりたい仕事を考える
経営者の集まりで、いろいろな人と話してきた。
私は、社外CFOとして財務や事業計画に関わること、プロジェクトを進める支援などを仕事にしたいと考えている。自分ができることを説明しても、それを頼みたいという話にはなかなかつながらない。
最初は、あまりニーズがないのだと感じていた。
ただ、いま気になっているのは、相手から見て、私が対価を払って仕事を任せられる人なのかが、そもそも分からないのではないかということだ。
自分は何をしたいのか
『熱狂的ファンのつくり方〈新版〉1分間顧客サービス』で、私が大事にしたいのは「自分は何をしたいのかを決める」という出発点だ。
ありものリンクでは、経営診断や財務分析など、自分が提供できることからサービスを考えてきた。できることはある。でも、それを使って何をしたいのかは、十分に言葉にできていなかった。
少し前に『キャリア・アンカー』を読み、自分の仕事の選び方を振り返った。9月のコラムでは、職種が変わっても、答えがないものについて仮説をつくり、確かめることを面白がってきたと書いた。
難しい問題を考えるのが好きだし、取り組むなら世の中の役に立つことをしたい。社会課題や、大きく難しい問題の解決に関わりたいというのが、自分のやりたいことだ。
財務分析やプロジェクトマネジメントは、そのために使いたい。ただ、それができると説明するだけでは、どんな仕事をしたいのかまでは伝わらなかったのだと思う。
顧客に求められることすべてに応えるのではなく、自分の理想とずれる仕事は引き受けない。この点も、忘れずにいたい。
もちろん、自分がやりたいことを決めても、相手がそれにお金を払うとは限らない。自分の望みと、相手の望みは別に確かめる必要がある。
肩書を伝えても、働き方までは見えない
明確なサービスなら、何を受け取れるのかを説明しやすい。
一方、社外CFOやコンサルティングという言葉だけでは、頼んだ後に何が進むのか、どこまで任せられるのかが見えにくい。私の経歴を知ることと、私と一緒に仕事をしたときの様子を知ることにも距離がある。
そう考えると、ニーズがないと結論づけるのは早い気がする。
本当に必要としていない人もいるだろう。予算やタイミングが合わないこともある。私の説明が曖昧だった可能性もある。
それでも、ネットワークの中で「この人に仕事を頼みたい」と思ってもらうには、能力を説明する以外の接点も必要なのだと感じている。
具体的な仕事を通じて、知ってもらう
そこで、仕事につなげる順番を変えてみることにした。
社外CFOやプロジェクトマネジメントという名前を説明するだけでなく、一緒に仕事を進める中で、自分が何を考え、何を形にできるのかを知ってもらう。そのために、自分が取り組みたいと思える仕事で、具体的に役に立つところから始めたい。
例えば、事業計画なら、売上や費用の前提を整理し、どの条件なら成り立つかを考える。まだ分からないことと、次に確かめることを分ける。そうした仕事を通じて、自分の働き方を見てもらうということだ。
ただ、人に知ってもらうためなら何でも引き受ける、という話にはしたくない。自分の理想とずれる仕事は引き受けないという基準も、ここで必要になる。
まずは一緒に仕事をして、私がどう考え、何をできるのかを知ってもらう。いまは、その順番で進めてみようと思っている。
ただ、役に立てたことと、お金を払って頼みたいと思ってもらえることは別だ。さらに、依頼につながったとしても、副業で使える時間には限りがある。どこまでなら引き受け、約束を守れるのか。そこも考えておきたい。
次回予告
次回は、同じ『熱狂的ファンのつくり方』を手がかりに、副業で引き受ける仕事の範囲を考えます。相手の役に立ちたいと思う一方で、何でも引き受けるわけにはいかない。限られた時間で、どこまでを約束するかという話です。
参考文献
- ケン・ブランチャード、シェルドン・ボウルズ著、星野佳路監訳、御立英史訳『熱狂的ファンのつくり方〈新版〉1分間顧客サービス』
- エドガー・H・シャイン著、金井壽宏訳『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』


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